唇の荒れる季節到来。
昨夜、耐え切れずコンビニエンスへ薬用リップを買いに行きました。
僕がアパートに戻ってきてエントランスを抜け
1階に停まってたエレベーターに乗り込み、
JUNIOR乗組員は ご利用階数「6」と「閉」を押しました。
扉が閉まると同時に、エントランスからカップルの声と足音が聞こえました。
たぶんエレベーターが1階に停まってるのが見えたから、ふたりは急いできた模様。
僕はすぐさま「開」を押しましたが
すでにエレベーターはエクスタシーし始めてました。
もうしわけない。
僕が心の中でカップルに謝罪した瞬間、
思いも寄らぬ一言が扉越しに聞こえました。
「ケ~チ~」。
え?
僕のことですか?
いやいや。
違うやん。
お前らが遅いだけやん。
おれ、すぐに「開」押してみたやん。
それなのに「ケチ」て。
「ケチ」とは「むやみに金品を惜しむこと。
また、そういう人や、そのさま」と、辞書に書いてある。
仮にも僕に溢れんばかりの財産があって
あの瞬間、僕がどれだけ大判振る舞いしたとしても
エレベーターは停まらんやん。
ちくしょう。
5年前、某ステーキハウスで噴火した僕の体の中にあるマグマが、
わずかにコポコポしだした。
「聞こえとんぞ」。
僕の荒れた唇からアナウンスが流れました。
どうやら僕は唇以上に心が荒れてたようです。
やはり僕の声も扉越しにカップルに届く。
するとエントランスから上階へ遠ざかるエレベーターに向かって
「えっ?・・・あっ!
す・・・す~み~ま~せ~ん」
って声が尻すぼみで聞こえました。
はい、許す。
って、ゆーかー
僕の方こそ すみませんでした。
JUNIOR
好きな飲み物は水とカレー。
人と話すと元気が出ます。
得意な球技は内野ノックです。