１月２５日（日）

昨日、大好きな貼り絵の題材を探しに

放浪の旅へ出ようと思い立ち、

道に迷わぬよう線路沿いを歩いて、

伊丹まで行きますと宣言しましたが、

それとは一切関係なく

花王名人劇場「裸族の大将」でおなじみの

名画家の作品展に行ってきました。

小学生のころ、日曜の夜にたまに放送される

ドラマを毎回見てた覚えがあります。

そこで得たモノマネを

近所の子供会のお楽しみ会などで披露して

地域での確固たる地位をつかんだ覚えもあります。

健康肥満児かつ丸坊主だった僕に母親は面白がって

夏場になると白のランニングシャツとカーキ色の短パンを買い与え

それを身にまとった僕を見て父親は

うれしそうに「大将！大将！」と連呼してました。

過去、現在、そしておそらく未来、つねに残念な両親。

肝心の作品展ですが、様々な角度から放たれる

大将からのメッセージに胸を打たれたり、時になでられたり、

僕が抱く大将のイメージを決して打ち砕かれるのではなく、

ぼんやりしていたカタチをはっきりと浮き彫りにされたような

なんとも晴れやかな空間でした。

芸術の才、言葉の才、発想の才を目にするたびに

大将の偉大さと己の未熟さに気付く。

僕が最も感動し、最も笑いに満ち溢れたのは

大将が実使用したリュックサックを見たとき。

あの有名な放浪生活を共にした

リュックサックの展示に気付いた僕は

すぐに直視するのが何だかもったいなくて

あえて一度、目をそらし、少しずつ少しずつ目線を持っていきました。

解説を読むと、中にどんなものを詰めて旅をしたかが書いてありました。

確かにそれはドラマを見ながら僕もずっと気になってました。

弟がドラマを見ながら「たぶんゲームボーイやて！」とか言ってたので

スピニングバードキックをお見舞いしてやったことがある。

実際の中身は言いますと、

「着替えと下着」

旅の基本アイテムですね。

ほんとに裸やったら世間が旅することを認めない。

「洗面用具」

歯磨きは欠かせんかったんやね。

「浴衣」

寝るときはやはりリラックス状態でありたい。

「箸と湯のみとごはん茶碗」

食事へのこだわりと執念が伺えますね。

「石を５個ぐらい」

なんやそれ？

何に使ったかというと「護身用」だったらしい。

降りかかる危険に対して

石コロに身の全てを委（ゆだ）ねようとした

大将の心意気に僕は静かに大爆笑。

僕のあとにリュックサックを拝見した

大将と同級生ぐらいのババア３人組も

「ウキャキャキャキャー」と入れ歯が飛び出んばかりに

笑ってました。

とにかく最高の時間でした。

物事の価値をお金で損得計算するのは

良くも悪くも僕の癖ですが

こんなにお買い得な７００円は

そうそう無いと僕は思いました。

数々の作品を遺した大将、

作品展を企画してくださった方々、

僕の行動を理解してくださった方、

本当にありがとうございました。

　　　ＪＵＮＩＯＲ