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米と水と人と野球に支えられた生活記録。
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今回は当ハナクソブログのコアなファンに定評があります

不定期連載「あのころを懐かしむ」シリーズより、

僕が小学生のころの通学路の話。

僕の家から小学校までは、歩いて15分ぐらいの距離でした。

子供の足で15分。

今やと どれぐらいなんやろう?

行きも帰りも同じ道でしたが、

僕は帰り道の方が好きでした。

行きは幼稚園生から小学6年生までが

ただ「ご近所同士」って理由だけで集団登校をしなあかんかったけど、

帰りは登校時とは関係なく、それぞれ気の合う者同士で帰ることができたから。

それはそれという理由もあるし、

「これから教室で授業」と思いながら進む道と

「これから家でファミコン」と思いながら進む道なら

前者を喜んで歩くのは町内で小林君ぐらいやと思う。

小学校の門を出て左に進むと見えてくるアルプス階段。

「アルプス山脈ぐらい険しい階段なんだぞ」という

大人たちのコンセプトにより命名されたであろう階段。

壁にはアルプス山脈をイメージした

カクカクの山脈のイラストが描かれていました。

子供だましも甚(はなは)だしい。

アルプス階段を降りると自転車道路。

山神、阿庄、釜屋敷の人間にとっては

御堂筋的存在の大動脈道路。

裏山、清水、貢、石拾の人間は

これを裁断するような方向から やってくる。

僕は自転車道路を進む。

道の途中で排水溝のドブのフタが

道を斜めに横切ってるとこが1ラインだけあるんですが、

そのうちの1枚のフタの上に かつて誰かがゲロを吐いたって理由で

一時期「踏まずのフタ」として誰も踏まないことがありました。

僕はその適用期間がいつまで有効なのかがわからず

結局卒業するまで1度も踏むことなく通い続けました。

その「踏まずのフタ」を越えると短い横断歩道があります。

左に曲がると「岩井自転車」。さらに真っ直ぐ行くと「サカシタ」。

「岩井自転車」は低学年のころ、

下校時に保安官やチーゴンと よく足を運びました。

初めて足を踏み入れたのは保安官に誘われてやと思う。

まずは、なぜか店主に「水、飲ませてくださーい」と声を掛けてから

表の水道でグビグビと喉(のど)を潤(うるお)す。

それから「自転車、見せてくださーい」と声を掛け、

僕たちは店内の自転車を眺めながら、

「おれ、3年になったら これ買うわー」とか

カッチョいい自転車を見つけては目星をつけてました。

小学生が発する、あの薄っぺらい ハッタリが好きです。

そもそも1日50円の小遣い、そしてちんちくりんの僕にカッチョいい自転車は、

値段もサドルも高すぎて手も足も届くわけがなかったのに。

こんなことを繰り返し行なってましたが

たぶん僕を含めて保安官もチーゴンも そこで自転車は買ってないと思います。

少なくとも僕ひとりは買ってません。

何か買ったものと言えば、単4電池とドラゴンズガムぐらい。

何で自転車屋で電池とガムを買うねん。

「サカシタ」は購買部的存在の小学校最寄りの文房具屋さん。

ほんまに「サカシタ」って名前かどうかはわからん。

坂の下にある店だから みんな「サカシタ」って呼んでただけかもしれん。

公衆電話は無いけれど、

10円を渡すとダイヤル式の黒電話を貸してくれる。

下石小おおばん打ち黄金時代のあのころ、

サカシタではゴムボールと空気入れが飛ぶように売れたと思う。

図工の授業で使うために、登校途中で

「赤の絵の具ください」って買いに行ったことがあります。

それが「朱色やん」って気付いたのは、その日の授業本番のときでした。

寄り道はこれぐらいにして、再び通学路の話。

横断歩道を越えてさらに進む。

途中、三宅の家が見える。

天然パーマでおなじみの三宅が中学生になったとき

「やっぱりティン毛もチリチリなんやろか?」

「いや。逆にティン毛はサラサラかもしれんぞ」って

みんな興味を示してました。

いつの時代も男子中学生は発想がシャープだ。

さらに進むと歩道橋。

歩道橋の横の肉屋・丸福のコロッケが強烈に美味い。

「丸福のコロッケをコロ助に ごちそうする」は

僕の小学生時代の108ある夢のうちのひとつでした。

歩道橋は近所の高校生による落書きがいっぱいありました。

「セッ○ス」「ペ○ス」というファンキーな言葉を

僕たちに教えてくれたのは歩道橋。

この歩道橋を越えるとお菓子屋の笹幸。

笹幸まで来たら、家は もうすぐそこ。

これまでに ご紹介したことのある

キマタの大判焼き事件、

僕のガチャガチャキティ事件など、

数々のエピソードが この店に眠っている。

今回は下校中の事件を ご紹介。

その日の僕は偶然下校時間が重なった

僕の兄貴と隣の電気屋のカヅくんの3人で下校。

笹幸まで辿り着くと、ジュースの自販機の前で

たじろぐ貴婦人に遭遇。

貴婦人は50歳ぐらいで

下石にしては ちょいと上品な感じ。

その貴婦人が困った様子で

僕たちに話しかけてきた。

「あの・・・ボクたち・・・ちょっといい?

 ここで今ジュースを買ったらね、

 またボタンが光っとるの。これってどうして?」

確かに貴婦人は お目当てのジュースを買い終えてました。

しかし自販機は「好きな飲み物を お選びください」な感じで

再びボタンを光らせている。

すると兄貴がピンときた様子で口を開いた。

「あ!当たりや!これ当たるやつやもん!」

確かに当たり付きの自販機。

これを聞いてカヅくんの指が伸びた。

「おばさん、同じやつ もう1本 飲みゃー」

と言いながら、赤い炭酸飲料のボタンを押した。

するとまたまたボタンが光る。

今度は僕が声を上げた。

「これすごーて!また当たった!」

おばさんも これに喜んで

「じゃあ次は あなたたちの好きなものを選んで♪」みたいな雰囲気になった。

そのとき。

そのときです。

また兄貴がピンときた様子。

「これ当たりやないて!お釣りが残っとるだけやて!」

兄貴の発言と共に、お釣り返却レバーの上の残高表示を見ると

確かに「1000円-ジュース2本分」がデジタル表示されてました。

1本買ったら自動的にお釣りが出るやつじゃなくて

返却レバーを回さんと返ってこないやつやったんやね。

結局 得どころかむしろ損した面(おも)持ちの貴婦人を取り残して

僕たちは足早に その場を退散し、

そこから数十メートルの自宅に逃げ込むように帰りました。

家の郵便受けから夕刊を抜くのが僕の役目でした。

帰宅すると じいちゃんと ばあちゃんは

夕方ならではの ゆるいテレビ番組を いつも観てました。

おかえり。

ただいま。

   JUNIOR

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プロフィール
HN:
JUNIOR
年齢:
44
性別:
男性
誕生日:
1980/08/07
職業:
草野球選手
趣味:
趣味さがし
自己紹介:
           好きな食べ物は米とライス。
           好きな飲み物は水とカレー。
            人と話すと元気が出ます。
          得意な球技は内野ノックです。
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